信楽高原鐵道

滋賀県最後に残った非電化路線(2016年現在)。第三セクターで赤字一位ではあるが、新線計画や周辺集落の交通事情、路線バス網のフィーダー線としての本路線の駅をハブとして拡大していくという整備の考え方などの、様々な要因で廃止の話は出てこない。ちなみに反対の黒字上位は愛知県東部を走る愛知環状鉄道、兵庫、岡山、鳥取を縦貫する智頭急行などの数路線である。

SKR200形

開業時に導入された車両。LE-DC初の車種である。貴生川~紫香楽宮跡間に急こう配がある本路線には国鉄時代から2エンジン車が導入されており、転換後の本系列からの車種もブレーキ等に特殊な装備がある山岳用車両が導入されている。当初は製陶の火や沿線の山つつじをイメージした塗色であったが、事故後に山や安全をイメージした安全緑色に塗装変更された。さらに、1999年ごろの信楽たぬき列車の運行に際し、たぬきのキャラクターが描かれ、のちの車両にも標準色として引き継がれた。

信楽駅2番線で留置されているSKR205号

2016年2月25日撮影。信楽駅2番線で留置されているSKR205号。事故廃車と老朽廃車により、SKR301号入線以降は急激に数を減らし、現在までこの205号のみが残っている。

撮影機材情報:Olympus OM-D E-M5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R




びわこけいはんな線ヘッドマークをつけたSKR205号

2006年11月1日撮影。先述の通り滋賀県主体の新線計画があり、その新線の実現に向けての活動を周知するためのヘッドマークが組み込まれる予定である近江鉄道とともに当時装着されていた。

撮影機材情報:Canon IXY DIGITAL 55




SKR300形

脱線衝突事故の遺族会や事故調査委員会と共同で設計した安全対策が強化された車種。LE-DCの第二世代の初代車種となった。試作的要素が強く1両のみの導入となった。パノラマカーなどで有名なダンパーが装備され、衝突時の安全を確保している。走り装置は200形同様山岳仕様となっている。試作的要素が強かったためか、2015年、先の製造であるSKR205号よりも先に故障の多発を理由に廃車され、距離が短い平坦線で車両に負荷がかからない和歌山の紀州鉄道に譲渡され、2016年よりKR301号として活躍している。SKR200形の緑帯と異なり、当初よりたぬきのキャラクターが描かれている。また、車掌と女の子を獣化したデザインであった200形のものと異なり、信楽焼の狸と同じ服装に変更された。譲渡後キテツでは、たぬきのキャラクターを消去しただけの緑帯となり、SKR200の標準色が”復活”したともいえよう。

貴生川駅に入線するSKR301号

2007年7月22日撮影。貴生川駅に入線するSKR301号。2012年ごろまでは主力の車両として310形とともに高頻度で運用に入っていた。

撮影機材情報:Canon IXY DIGITAL 55




紫香楽宮跡駅を発車するSKR301号

2007年7月22日撮影。紫香楽宮跡駅を発車するSKR301号。この後に増備された310形と同じ見た目だが、装置や車体に細かな差異がある。

撮影機材情報:Canon IXY DIGITAL 55




SKR310形

SKR300形とほぼ同型の車両で、SKR300形の増備車として投入された、ほぼSKR300形の量産車という扱いの車種である。300形からはエンジン出力などの細かい部分に改良がくわえられている。塗装はSKR300形のものを踏襲していたが、2012年より開業25周年を記念し記念のラッピングとなった(ベース色の塗装も変更されているため、ほぼ塗装変更同様の扱い)。

紫香楽宮跡駅付近を走行するSKR310形(車番不明)

2006年4月1日撮影。紫香楽宮跡駅付近を走行するSKR310形(車番不明)。イベント列車などの際はロングシート化改造されたSKR200形と編成を組むことが多い。SKR300形引退まではラッシュ時や多客期はSKR300形とも編成を組んでいた。※この写真の編集物をWikimedia Commonsに掲載のため転載・使用などはCreative Commons Attribution-Share Alike 3.0 Unportedに準拠する。

撮影機材情報:Canon IXY DIGITAL 55




紫香楽宮跡駅付近を走行するSKR312号

2007年8月15日撮影。紫香楽宮跡駅付近を走行するSKR312号。登場時より本路線の主力であり、運用の頻度は非常に高い。

撮影機材情報:Canon IXY DIGITAL 55




貴生川駅に入線するSKR312号

2012年8月19日撮影。貴生川駅にて。開業25周年を記念し、311号と312号はそれぞれ滋賀県内にある芸術大学によってデザインされた固有のラッピングが施された。

撮影機材情報:Canon PowerShot SX210 IS




第2大戸川橋梁付近を走行するSKR312号

2016年2月4日撮影。第2大戸川橋梁付近。杣川橋梁復旧後の運転再開より、国鉄式のサボが装着されるようになった(乗降ドア横)。

撮影機材情報:Olympus OM-D E-M5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R




雲井駅に入線するSKR312号

2016年2月4日撮影。雲井駅に入線する様子。紫香楽宮跡~雲井間は隠れた撮影ポイントだと思う。

撮影機材情報:Olympus OM-D E-M5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R




貴生川に入線する310形重連

2016年2月25日撮影。310形は車両ごとにラッピングが異なっている。

撮影機材情報:Olympus OM-D E-M5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R




SKR400形

2015年秋より投入された現在最新の車両。車体長が伸び、定員数も多くなった。また、これまでの形式とは異なり、新製時よりロングシートで竣工した。これまでSKRは富士重製私鉄向け規格型気動車LE-DCシリーズの初導入や特殊な装備を持った車両を導入し、ローンチカスタマーのような存在であったが、富士重が新潟トランシスと合併したため本系列から新潟製の規格型のNDCとなった。アコモは205と同仕様なのだが、この系列の導入で廃車となったのは301号であった。

信楽駅2番線で留置されているSKR401号

2016年2月4日撮影。信楽駅2番線で留置されているSKR401号。この系列から200形の当初の焼き物、炎、山つつじと紅葉などの当初のコンセプトに戻った。車内はこれまでの軽快気動車の仕様そのままのものから変更され、最近の京阪などの新系列と同じような薄い木目調の色合いの化粧板、柄入りモケットといったデザインとなっている。他の方が撮った写真でもこの留置線にいることが多いことから、現在のところは多客期やイベント用の運用に主に使われていると思われる。

撮影機材情報:Olympus OM-D E-M5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R




信楽駅で並ぶ

2016年2月25日撮影。信楽駅で古株と新鋭が並ぶ。

撮影機材情報:Olympus OM-D E-M5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R




夕暮れの貴生川駅にて

2016年2月25日撮影。夕暮れの貴生川駅にて。sKR205と同じく多客期やラッシュ時にそのロングシートが重宝されているようだ。

撮影機材情報:Olympus OM-D E-M5 + M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R